茶柱が立つのは幸運のしるしという。
考えてみれば、軸対称かそれに近い形で、適度な比重を持っていて、しかも重心が軸の中点から片方にずれていれば、立った状態のほうが力学的に安定なはずだ。
つまり、そういう茶柱がたまたまお茶の中に出て来れば、それはむしろ立って当然なわけだ。
茶柱が立つことが珍しいのは、すなわち、お茶の茎が一センチぐらいの長さでは、非常に均一であるからにほかならない。
ということは、逆に、立つ茶柱を人工的に作ることも可能なわけである。
お茶の茎を一センチずつぐらいに切って、片方だけに加工する。
片方の端だけを軽く焦がすとか、無色無臭無害の添加物を塗るとかして、片方だけが重くなるようにするわけだ。
そしてそれを、茎を取り除いたお茶っ葉の中に混ぜておく。
できたお茶は、茶柱が高い確率で立つ、「茶柱茶」。
ビジネスになるかもね。
受験生を持つ母親や、縁起をかつぐおばあさん方には好評かもしれない。
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